寺報「月照」第21号

平成31年 元日

月照寺に保管されている宝物

「十六善神の掛け軸」 制作時期は室町時代
十六善神(じゅうろくぜんしん)とは十二神将に持国天、増長天、多聞天、広目天の四天王を加えた計十六名の般若経を守る夜叉神とされる護法善神のことである。

正しい宗教

自分の宗教を信ずるあまり
他の宗教をそしり
果ては憎しみ争うほど愚かなことがあるでしょうか
正しい宗教はいつの時代にも人々を照らし
平和な生き方へと導くものなのです
宗教者同士が刃をぬいて
争うことなどあってはなりません

「慕古心」について

時を超えて、人を超えて、語り、受け継がれ、伝えられる「真実(本当のこと)」は永遠に輝いて、いつも新しいのです。道元禅師は、現代を生きる私たちに、「真実(本当のこと)」をたくさん教え示してくださっています。そのひとつひとつを学び、実践することを「慕古心」というのです。「慕古心」とは、「永遠の真実」を探し求めることであり、「道元禅師からのメッセージ」はそのための羅針盤に他なりません。

 謹んで新年のお慶びを申し上げますとともに、檀信徒の皆様のご多幸とご繁栄を心より祈念申し上げます。
 当山におきましては、昨年十五年間にわたり護持会の会長として当山のためにご尽力頂いておりました網順三氏が退任され、成田晴義氏が新たに会長に就任頂きました。網氏には二代の住職にわたり大変お世話になりました事、心より御礼申し上げます。成田氏には月照寺の護持、発展の為に何かとお力添い頂きますが宜しくお願い申し上げます。
 さて、皆様におかれましてはどのような新年を迎えられましたでしょうか。心を改めて、今年の目標を立てられた事と存じます。
 吹毛剣(すいもうけん)という禅語があります。吹毛剣とはどんなに柔らかい鳥の毛でも、刃の上に吹き落とすだけで真っ二つに切れてしまうほど鋭く切れ味のいい刃のことを言いますが、吹毛剣は物だけではなく、人間の煩悩や妄想を断ち切ると言われています。
 悩みや迷い、不安を作り出しているものは、「こうしないといけない、こうでないといけない、こうでありたい」という人間の執着心や「できるわけがない、自分じゃダメだ」というネガティブな妄想です。
 生活をしていれば、いろんな思いが出てくるのは仕方のないことですが、いつまでもその思いを心にとどめて、うじうじしているのは良くありません。そんな時は、吹毛剣で煩悩や妄想を断ち切りましょう。このことを意識していれば、いつか必ず吹毛剣を使わずとも、常にスッキリした気持ちで物事に取り組めるようになると思います。皆様も、吹毛剣で煩悩や妄想を断ち切り、常にスッキリした気持ちで今年の目標に向かって良き一年をお過ごし頂きたく思います。
 最後になりますが、本年が皆様にとってより良き一年になりますよう心より祈念し、年頭の挨拶とさせて頂きます。

合 掌
月照寺住職 間瀬和人

 月照寺の山門は、明石城築城に際し、元和四年(一六一八)に初代城主小笠原忠政が徳川秀忠から伏見城薬医門を拝領し、切手門と称して城主の居所の正門であったもので、明治六年(一八七三)に当時の経費で五十三両余を要して移築されたものです。

 城主の居所の正門が月照寺の山門となった背景には、明治四年(一八七一)に神仏分離令により柿本神社が分離するまでの人丸社・月照寺に対して、十七代にわたる明石城主の内、初代を始め、八代もの城主によって、本社の屋根、鐘楼堂、燈篭堂などの再興や種々の寄進、奉納がなされてきたことなど、各代の城主との繋がりが深かったからではないかと伝えられております。山門が城跡に向けて開けられているのも何らかの心情の表われではないでしょうか。

 このようなこともあってか、由緒ある山門として代々の檀信徒の皆様と共に大切に守り続けられてきており、近年では薬医門の建造より四百年余を経た昭和五十年(一九七五)に山門の補強工事を行っています。これにより、明石市が震度六にみまわれた平成七年(一九九五)の阪神淡路大震災のときでも、四脚門の屋根が柱から大きくずれたものの崩落することなく済み、市の文化財担当の指導のもとに復元・補強工事を施して今日に至っています。
 山門は、現在も創建当初の容姿を保っており、当時の豪壮な雰囲気をただよわせている明石城の遺構として数少ない建造物であり、明石市指定文化財にもなっています。
 本年は明石城築城四百年にあたることから、城主の居所の正門としての風格をさらに醸し出せるように、山門前周辺の環境整備を行ってまいります。八月お盆までには竣工する予定です。

●お願い●
今昔物語掲載において月照寺に関する昔の写真をお持ちの方がいらっしゃいましたらご提供をお願いいたします。お寺までご一報下さい。

 この度、「東の駐車場水汲み場横」と「西坂通り入り口」の二箇所に花がらステーションを設けました。花がらは お手数ですが花がらステーションにて処分下さい。
 尚、野犬、カラス、イタチが墓所を荒らし、汚します。危険でもありますのでお供え物は必ずお持ち帰りくださいますようご協力をお願いいたします。

檀家の故 加藤博様が自作された

法隆寺 五重塔一五〇分の一スケールの模型を昨年ご遺族様からお寺に寄進していただきました。お寺の玄関横に展示しております

 六月五日から六日にかけて一泊二日の「焼津全殊院参拝と岡崎散策の旅」に行ってきました。五日頃から梅雨入りすると言っていたが、五日は皆様の精進の賜か、晴天の空を仰ぎながら一路東海に向け名神高速道路を突っ走り、岡崎に昼頃到着しました。昼食の後、徳川家の菩提寺「浄土宗成道山松安院大樹寺」を参拝しました。家康が桶狭間の戦いで今川軍についていたため、信長に敗れ太田城から逃げ帰った場所です。大樹寺は松平家(徳川将軍家の祖)の菩提寺です。一四七五年松平四代の親忠が古戦場の首塚の近くに念仏堂を設けたのが始まりで、そこに寺を建てたのが大樹寺です。松平八代の墓、歴代将軍の位牌(将軍の身丈に併せている)家康七三歳の時の木像などが祀られています。家康が「予の遺体は九能山へ埋葬せよ、位牌は三河の大樹寺に安置せよ」と遺言しましたので、後幕臣は遺言に従い、位牌を大樹寺に納めました。代々の将軍についても同様に等身大の位牌を安置されています。因みに位牌の高さは凡そ一五〇センチですが、綱吉一二四センチ、家継(六歳で薨去)一三五センチで、綱吉は低身長、家継は高身長であったなどの説が存在します。 

  その後、名古屋名物の八丁味噌の工場を見学しました。確か岡崎では二軒の八丁味噌工場があったと思います。私は三回工場見学に行きました。二十年程前、どちらかの工場で味噌の掬い取りがあり、これを行って沢山の味噌をもらった記憶があります。確かに名古屋に行ったとき、味噌カツ丼、煮込みうどん、カキの土手鍋など食べた記憶があります。
 岡崎の参拝・見学を終えて、一路焼津に向かいました。焼津は、小学のころ修身で教わったヤマトタケルノミコトが東夷征伐の途中、天叢雲剣(アマノムラクモノツルギ)で草を薙ぎ払い火をかけて賊を滅ぼした地名で有名です。この剣は三種の神器で本物は熱田神宮のご神体として祀られています。
 天叢雲剣は別名草薙の剣と称され、熱田神宮では正式名は草薙の剣です。因みにこの剣は須佐之男命が出雲で八岐大蛇を退治した剣でもあります。これが為、熱田の祭神が天照大神だと言われていますが、日本武尊とも言われています。宿泊のホテルは焼津黒潮温泉の「カンビア松風閣」です。このホテルは浴室や客室から富士山がよく見えることで有名です。幸い申訳のような富士山がうっすらと覗いていました。温泉は露天風呂で、内湯は沸かし湯となっています。しかし露天風呂はアルカリ性のいい風呂でした。
 翌六日早朝五時半に起床して、温泉に入りに行きました。とうとう梅雨となり雨が降っていて風流な入浴になりました。風呂から上がってバイキングの朝食を食べ、九時出発のバスに乗り込み、焼津の大樹寺参拝に向かった。
 当寺の千手大観音の像高は四・二メートル、仏頭一・八メートルの仕上がりは、実に七五〇年ぶりに大仏様式で日本一大きな千手観音です。月照寺住職の先導による「般若心経」の一同の誦経に続き大覚寺住職の大観音の説明・拝観のご案内により一同拝観しました。住職は大観音に三〇年の無病長寿を祈られるお話で、わが身に置き換えて考えるに、当年八二歳なればプラス三〇歳ではいくつになるのかとふと思いました。梅雨の最中一路焼津さかなセンターに行きました。魚町明石の市民としてはあまり珍しくなく、マグロ、ノドグロ、それらの干物など見学しながら、何も買わずに昼食の店へとバスで豊川に行きました。ちくわの店だけにそんな食事を頂き、一路明石へと帰路につきました。このバスツアーに参加して、バスガイドさんに感心しました。行きから帰りまでの通過する町の説明をしていたが、職業とはいえ、よくあれだけ多種多様な知識を勉強してと感心ずくめで帰ってきました。お陰で長い道中退屈せずに楽しい旅行ができました。
 今回初めて参加させて頂きましたが、住職と檀家が信仰を通して親睦を深めておられるのが、心温かいものを感じました。また来年もご一緒させて頂くことをお願いして筆を置きます。

明石市北朝霧丘   都 久俊

<令和元年>

1月1~3日新年祈祷(修正会) 本堂/毎朝
元旦から三日までの毎朝、平穏無事な一年でありますようにと祈願いたします。
3月9日(土)
春彼岸会法要 
本堂/12時30分受付
◆13時30分~法話
◆14時30分~法要
この世を越えた彼岸に想いをめぐらし、亡き人を偲んでご供養いたします。
3月17日(日)永代供養塔合祀墓合同供養 永代供養塔前
◆15時~法要
永代供養塔に合祀されている仏様をご供養いたします。
3月31日(大般若祈祷法要  本堂/12時30分受付
◆13時30分~法話
◆14時30分~法要
大般若波羅密多経六百巻を転読し、檀信徒各家の諸願成就を祈願する法要です。
6月5日(水)~
6日(木)
大本山永平寺と御誕生寺参拝の旅
恒例、月照寺バスツアー
皆様お揃いでの参拝旅行です。
ご一緒にお参り致しましょう。
8月6日(火)初盆大施食会 本堂/8時開経
初盆を迎えられる新亡の仏様のご供養はもとより、
ご先祖、無縁の仏様にもご供養する法要です。
8月23日(金)
8月24日(土)
地蔵盆 千躰地蔵尊前
◆18時~
子ども達の純真な心を見守っていて下さるお地蔵様を子ども達でご供養する法要です。
9月14日(土)秋彼岸会法要 本堂/12時30分受付
◆13時30分~法話 
◆14時30分~法要
この世を越えた彼岸に想いをめぐらし、亡き人を偲んでご供養いたします。
10月25日(金)お十夜法要 本堂/12時30分受付
◆13時30分~法話
◆14時30分~法要
曹洞宗のお祖師さまである達麿大師のご遺徳を偲び、
ご先祖様に感謝の気持ちを込めてお念仏をお称えする法要です。
12月31日(火)子午線燈花会・除夜の鐘  鐘楼/22時受付
◆23時~撞鐘開始(受付22時)
鐘つき志納 金1人500円以上 (全額社会福祉に寄付)
「行く年」を省み、「来る年」の決意を新たに。

※檀家さん以外の方もご参加いただけます。
●日  程 ● 平成31年6月5日(水)~6日(木)  1泊2日
●参 加 費● お1人様 28,000円
皆様と共に楽しい旅にしたいと計画しております。
ぜひ、多くの皆様のご参加をお待ちしております。

お申し込みは、お寺までお願いいたします。
締め切りは5月10日まで 📞078-911-4947

※お申し込み人数が30名未満の場合は、やむを得ませんが中止と致します。
  ご了承願います。

 お正月に檀信徒並びにお墓があるお宅にお送りします郵便物が毎年何軒か「転居先不明等」で戻ってきます。お寺としても転居先が解らず困っております。転居・名前の変更等ある場合は必ず月照寺の方へ連絡下さい。特にお墓が有るお宅は必ず連絡して頂きますよう重ねてお願い致します。
また、年々、月照寺でも後継者がいなく「墓じまい」をするお宅が増えてまいりました。参る方がいなくなり大切なご先祖様が眠っておられるお墓が無縁仏になることもお寺としては心配です。
檀信徒並びにお墓があるお宅で後継者がいなくなりゆくゆく無縁仏になってしまうので「墓じまい」をお考えのお宅は遠慮なくお寺へご相談ください。

月照寺
📞078-911-4947

「月照寺護持会」役員の変更について

昨年五月の役員会にて次のように改選されましたので報告いたします。皆様の月照寺の護持・発展に一層努めてまいります。よろしくお願い致します。
会長/成田晴義、副会長/田中良夫(管理部会長兼務)・竹元慶有(総務部会長兼務)・榎本和夫(文化事業推進部会長兼務)、法要部会長/山本治衛、寺宝類整理・監修部会長/木戸正廣、監事/小山孝治・長谷泰太郎、顧問/中村 元・網 順三