寺報「月照」第19号

平成29年 元日

仏道の祈り

奇跡が起きることを望んだり
超能力を得ることを祈ったり
事業の利益を祈願する宗教もありますが
仏教は、世を導き人を助けることを願う宗教です
仏道の祈りは親がわが子を
思う祈りと同じなのです

「慕古心」について

時を超えて、人を超えて、語り、受け継がれ、伝えられる「真実(本当のこと)」は永遠に輝いて、いつも新しいのです。道元禅師は、現代を生きる私たちに、「真実(本当のこと)」をたくさん教え示してくださっています。そのひとつひとつを学び、実践することを「慕古心」というのです。「慕古心」とは、「永遠の真実」を探し求めることであり、「道元禅師からのメッセージ」はそのための羅針盤に他なりません。

 謹んで新年のお慶びを申し上げますとともに、檀信徒の皆様のご多幸とご繁栄を心よりご祈念申し上げます。
 お正月の三が日には多くの仏教寺院で「修正会(しゅうしょうえ)」が行われます。お寺で行う一年最初の祈祷法要で、新年を祝い、世界平和と仏法の興隆、檀信徒の皆様にとって平穏な一年でありますようにとお祈りいたします。
 私たちは、常に幸せを願って生きています。一年の初めなどには特にその思いを強く抱きます。お釈迦さまはまことの幸せを得るために大切な生き方の一つに精進を説かれました。私たちは「精進=努力」と考えがちです。「こんなに頑張っているのに何故・・・」と思うことがあります。ところが、精進と努力は明らかに異なります。努力はその内容は問えません。どのような事柄であれ、とにかく頑張って行うことが努力です。道元禅師さまのこの精進を強調され、「正しい方向に向かって常に励み続けてこそ精進」と示されておられます。精進とは単なる努力ではなく、迷いや後悔をせず只々進むという意味です。
 皆様も幸せを確率するために、努力ではなく道元禅師さまの示された「精進」を心がけ、今年一年過ごしてみて下さい。
 最後になりますが、皆様にとって本年が良き一年でありますことを重ねて祈念申し上げ、新年の挨拶とさせて頂きます。

合 掌
月照寺住職 間瀬和人

  「七転び八起き」のことわざや、「ダルマさん」の愛称で知られている達磨大師は実在の人物で、曹洞宗を含め禅宗(臨済宗・黄檗宗)では今から一五〇〇年程前、初めてインドから中国へ禅の教えを伝えた方として尊敬しており、中国禅宗の初祖と言われております。

 赤い縁起達磨(ダルマさん)は、達磨大師が寒さよけに頭から「被」と呼ばれた掛け布団をかぶって坐禅している姿がもとになっているとされます。群馬県高崎市がその産地として有名ですが、寺院のみならず神社でも縁起物として売られています。これは、ダルマさんが何度転んでも起き上がるので縁起が良いとされたのです。達磨さまは中国禅宗の初祖ですから、「震旦(しんたん)(中国のこと)初祖」または「円覚(えんがく)大師」ともお呼びし、正式には震旦初祖円覚大師菩提達磨大和尚(しんたんしょそえんがくだいしぼだいだるまだいおしょう)と称します。

 達磨さまはインドにお生まれになり、六世紀、梁(りょう)の時代に海を渡って中国にやってこられたと言われております。その当時の中国は、南と北に王朝がわかれており達磨さまが訪れたのは南の梁の国です。その国王は武帝(ぶてい)。武帝は数多くのお寺を造立し、たくさんの僧侶を得度させ、自らも写経するなど、熱心な仏教信者でした。武帝は宮廷に達磨さまを迎えて問答を行います。

 武帝はこれまで行ってきた仏教庇護による功徳の有無を質問しますが、達磨さまからは称賛の言葉どころか「無功徳(功徳など無い)」と喝破されます。

 その他いくつかの問答を交わされますが、結局二人の問答はかみ合わず、達磨さまは揚子江を渡り北の国にある嵩山(すうざん)少林寺に入ります。伝えるところによると、少林寺では面壁九年(九年間、壁に面して坐禅修行をすること)、ようやく達磨さまのもとへ慧可(えか)と言う一人の修行僧がやってきます。慧可は達磨さまのもとで修業を積み、達磨さまの法(教え)を嗣ぐ意志を示して達磨さまから大切な教えを伝授されます。そして、教えを嗣いで中国禅宗二祖となります。

 慧可に法を伝えた後の達磨さまはシルクロードを歩いてインドにもどり亡くなったと言われております。

 達磨さまが、インドから中国へ正しい仏法を伝えなければ、今日の禅宗、我々の曹洞宗は存在しませんでした。達磨さまの大きなご恩に報いるため、禅宗のお寺では十月五日の命日に達磨忌として報恩の法要を営み、ご遺徳をおしのびしております。
※掲載しております達磨大師 の掛け軸、立像は月照寺で貯蔵しているものです。
 

左から 達磨大師  作者/通光大慈、芦葉達磨 作者/狩野永信、達磨大師 作者/伝 雪村

 私は、前回の旅行から参加させて頂き、今回で二回目の参加となります。今回は、大本山永平寺参拝と長浜散策の旅で、私はまだ永平寺に参拝したことがなく、楽しみにしておりました。バスは定刻に天文科学館前を出発し、順調に進み、お昼前には永平寺門前に到着しました。それから「井ノ上」で昼食を頂き、永平寺へ参りました。
 最初、ご先祖様の供養法要の受付後、法要控え室で法要の時間までお茶を頂き、それからご先祖様供養法要では大人数の僧侶の方々の読経の荘厳な雰囲気に感銘し、この様な法要に参加させて頂き感謝いたしました。
 法要後は、雲水さんにお寺を案内して頂き、大庫院の前に長さ四メートル胴回り一メートルの巨大なすりこ木があり、触れると料理上手になるといわれているそうで、しっかり家族のため料理上手になります様にお願いしながら、触らせて頂きました。寺内の廊下や階段がピカピカで雲水さん方の日々のお掃除が行き届いているのに感心しました。傘松閣では、花鳥などの二三〇枚の絵天井が埋め込まれ、鯉二枚・唐獅子二枚・リス一枚を見つけると願いが叶うと言われているそうで、雲水さんに箇所を教えて頂き、五枚の絵をなんとか見つけることができ、安心しました。
 それから永平寺を後にし、山代温泉の今日の宿、森のすみかへ参りました。さっそく温泉に入り、美味しい夕食を頂き、カラオケタイム。皆さんお上手なので驚きました。同室皆さんいい方ばかりで、楽しい時を過ごすことができました。翌日早朝に宿を後にし、越前めがねの里で見学し、次に日本海のさかな街でお買い物をして、余吾町の洞壽院へ向かい、参拝いたしました。

 その後、途中昼食を済ませて長浜黒壁スクエアへ向かいました。お祭りで武将の姿の方が多く、楽しませてもらい、いろいろなお店を散策しました。
 その後バスは長浜を後にし、高速も渋滞もなく、無事明石に帰途着きました。主催してくださった月照寺様、バスの運転手の方、バスガイドの方、旅行会社の添乗員の方のおかげで、無事に楽しい旅行となり、ありがとうございました。
 永平寺での講話での「流汗悟道(りゅうかんごどう)」ですが、何事も真実をつかむには、自ら汗をかいて成し遂げなければなりませんという意味です。そして洞壽院での講話の「脚下照顧(きゃっかしょうこ)」も日々、忙しさでバタバタしていると、何かと乱れがちになりますが、肝に銘じ気をつけて頑張りたいと思います。そして今回の旅行に参加されていた方の中で、息子さんが永平寺で現在修業僧をされていて、面会にこられたそうです。私は同じ年頃の子供がいるので、修行される息子さんに感心し、親族の方もさぞかしご心配かと思い、無事修行を終えられることをお祈り申し上げます。
 旅行させて頂き、現在仕事中ということで、なかなかお寺の行事に参加できていないので、来年度からはできるだけ参加させて頂きたいと思いました。            

森 美代子

<平成29年>

1月1~3日新年祈祷(修正会) 本堂/毎朝
元旦から三日までの毎朝、平穏無事な一年でありますようにと祈願いたします。
3月11日(土)春彼岸会法要 本堂/12時30分受付
◆13時30分~法話
◆14時30分~法要
この世を越えた彼岸に想いをめぐらし、亡き人を偲んでご供養いたします。
3月17日(金)永代供養塔合祀墓合同供養 永代供養塔前
◆15時~法要
永代供養塔に合祀されている仏様をご供養いたします。
3月31日(大般若祈祷法要  本堂/12時30分受付
◆13時30分~法話
◆14時30分~法要
大般若波羅密多経六百巻を転読し、檀信徒各家の諸願成就を祈願する法要です。
6月6月9日(金)~
10日(土)
海部城満寺 参拝
皆様お揃いでの参拝旅行です。
ご一緒にお参り致しましょう。
8月6日(日)初盆大施食会 本堂/8時開経
初盆を迎えられる新亡の仏様のご供養はもとより、
ご先祖、無縁の仏様にもご供養する法要です。
8月23日(水)
8月24日(木)
地蔵盆 千躰地蔵尊前
◆18時~
子ども達の純真な心を見守っていて下さるお地蔵様を子ども達でご供養する法要です。
9月16日(土)秋彼岸会法要 本堂/12時30分受付
◆13時30分~法話 
◆14時30分~法要
この世を越えた彼岸に想いをめぐらし、亡き人を偲んでご供養いたします。
10月25日(水)お十夜法要 本堂/12時30分受付
◆13時30分~法話
◆14時30分~法要
曹洞宗のお祖師さまである達麿大師のご遺徳を偲び、
ご先祖様に感謝の気持ちを込めてお念仏をお称えする法要です。
12月31日(日)
子午線燈花会・除夜の鐘 
 鐘楼/22時受付
◆23時~撞鐘開始(受付22時)
鐘つき志納 金1人500円以上 (全額社会福祉に寄付)
「行く年」を省み、「来る年」の決意を新たに。

― お知らせ ―

※檀家さん以外の方もご参加いただけます。
●日  程 ● 平成29年6月9日(金)~10日(土)  1泊2日
●参 加 費● お1人様 28,000円
皆様と共に楽しい旅にしたいと計画しております
ぜひ、多くの皆様のご参加をお待ちしております。

お申し込みは、お寺までお願いいたします。
締め切りは5月10日まで 📞078-911-4947

※お申し込み人数が30名未満の場合は、やむを得ませんが中止と致します。ご了承願います。

 お正月に檀信徒並びにお墓があるお宅にお送りします郵便物が毎年何軒か「転居先不明等」で戻ってきます。お寺としても転居先が解らず困っております。転居・名前の変更等ある場合は必ず月照寺の方へ連絡下さい。特にお墓が有るお宅は必ず連絡して頂きますよう重ねてお願い致します。
また、年々、月照寺でも後継者がいなく「墓じまい」をするお宅が増えてまいりました。参る方がいなくなり大切なご先祖様が眠っておられるお墓が無縁仏になることもお寺としては心配です。
檀信徒並びにお墓があるお宅で後継者がいなくなりゆくゆく無縁仏になってしまうので「墓じまい」をお考えのお宅は遠慮なくお寺へご相談ください。

月照寺
📞078-911-4947