寺報「月照」第17号

平成27年 元日

この図は明治17年(1884)に横山東黄によって描かれた図です。書付によると宝庫にあり260年たち、虫喰いもひどくなっていた図を写したもので、絵図を詳細に見ると現在人丸山の麓にある亀の水の亀形樋水口が描かれていません。この口は享保4年(1719)に出来たといわれており、これ以前に描かれたものと思われます。また現在柿本神社にある柿本人麻呂祠堂碑(亀の碑)が描かれています。この碑は寛文4年(1664)明石城主松平信之によってつくられたものでそれ以降のものです。よって今から約300年から350年前の月照寺の様子をあらわした図と推定できます。

慕古心(もこしん) 道元禅師さまからのメッセージ

修せざれば現れず
「知る」ということと
  「わかる」こととはちがうのです
 しってはいても実行されなければ
  わかったことにはなりません
    薬の効能書を読んだだけでは病気は治りません
       禅も実行してはじめてわかることなのです

 未年を迎え、謹んで新春のお慶びを申し上げますとともに、檀信徒の皆様のご多幸とご繁栄をご祈念申し上げます。
 今年も良き年になるように目標を立てられた方も多いのではないでしょうか。昔から、年の元(はじめ)、月の元、日の元を三元といって、おめでたい日であるとともに、その年、その月、その日をいかに生きていくか、指針を立てるために非常に大事にしてきました。一月は年の初めにこころを修正し正しく生きていくことを決意する月ということで、一月のことを「正月」ともいいます。禅には、「日々是好日」(にちにちこれこうにち)ということばがあります。毎日いろんな事があります。けれど「いいこと」ばかりではありません。悲しい日も苦しい日もあります。しかし、その悲しみも苦しみも、喜びも嬉しさも思い悩むことなく一日一日の出来事をかけがえのないものとしてとらえ、良いことも悪いことも受け入れ、一生懸命に暮らす。すると、かけがえのない「好き日」になります。毎日がかけがえのないものになれば、毎月が、毎年がかけがえのないものになり、生きることがかけがえのないものとなります。新年を迎え、この一年をより良くいきるために、どんな日もかけがえのない一日でありたいものです。
 最後になりますが、皆様にとって本年が良き一年でありますことを重ねて祈念申し上げ、新年の挨拶とさせて頂きます。                

合 掌
月照寺住職 間瀬和人

月照寺の寺宝である「掛け軸」補修状況のお知らせ。

寺宝としては軸物数百点所蔵し、中でも文化財として登録されたものは二十数点になり、
そのものは明石市立文化博物館に管理いただいております。

ここに一部の軸をご紹介しますが、月照寺の寺宝として永く伝わってきたものです。これら寺宝類も経年劣化がいちじるしいものが多数あり、その中から優先選択し、十三年余りにわたり、五十数点を修復させていただきました。この作業は寺宝部会が中心となって進めています。これからも古文書等重要な寺宝類を順次補修していく予定です。檀信徒の皆様には変わりないご理解とご支援をお願い申し上げます。

月照寺護持会について

平素は月照寺護持会にご支援を賜り厚く御礼申し上げます。私ども護持会役員は、より良きお寺を目指し、ご住職をはじめ寺族の皆様をお支えしながら日々活動をさせていただいております。当護持会は平成十三年四月に発足し、今年で十五年目を迎えようとしております。この寺報「月照」も十七号の発行となり檀信徒の皆様、お寺の有縁の方々のお蔭と厚く感謝しております。ここで紙面をお借りして護持会の組織と役割をご紹介申し上げますのでご参考にしていただければと思います。

各部会の主な活動内容

(役員会の中に5つの部会があります)
護持会はお寺に対し次の活動を通して支援を行っています。
<総務部会>
●護持会の予算及び決算に関すること
●護持会の諸活動の記録に関すること
●役員会の運営経費の会計に関すること
<法要部会>
●主要法要の執行に関すること
●特派布教等の諸行事の執行に関すること
<管理部会>
●墓地区域の整備に関すること
●墳墓等の整理及び整備に関すること
<文化部会>
●文化事業の企画・実施に関すること
●広報紙「月照」の企画・編集・発行に 関すること
●月照寺“楽市楽座”、子午線“燈花会” 等の企画・実施に関すること
<寺宝部会>
●寺宝類の維持補修、整理及び監修に 関すること
●寺宝展の企画・実施に関すること

~研修旅行~大本山永平寺の旅
(平成二十六年六月十二日~十三日)

 恒例の月照寺様主催の研修旅行に、今回はいつもと違う気持ちで参加させて頂きました。というのも、今春、ビーエス観光を退職したのですが、御住職、役員様のご好意により、元添乗員として特別参加のお誘いを頂いたのでした。
「うーん、何かテレクサイぞ」という微妙な気持ちでバスに乗車。でもそれは一瞬だけ。参加者の面々は殆ど長年親しんだ方々、すぐに身内感覚で迎えて下さいました。感謝です。
 バスは定刻に出発です、参りましょう、大本山永平寺へ。(実は今回の日程は私がお奨めしたもので、責任も感じておりました)車内の楽しい雰囲気に相まって、バスは快適に高速道路を走り、予定通り、永平寺門前に到着。昼食を終え、いよいよ本山参拝です。恐らく、仕事以外で参拝者として本山法堂に入るのは初めてです。少々緊張気味、でも他の方々はさすが、何度となく訪れた本山です、平然としたもの(ちょっと悔しい)。
それでも無事主目的の御先祖様の御供養も終え、本山を後に本日の宿泊地、金沢の奥座敷「湯湧温泉郷」を目ざします。夕刻、無事到着。早速ひとっ風呂、そして宴会です。

 いつもはネクタイ姿で進行役の自分が今日は浴衣姿で単なるヨッパライです。「月照寺の面々は何でこんな愉快な人々ばかりなんだろう、いいのかなこんなに楽しくて」(福田添乗員ご苦労様)遅くまで楽しんで二日目明ければ雨模様。近くの江戸村観光は中止。(ちょっと嫌な予感)それでも気を持ち直して次の目的地、古刹・曹洞宗天徳院へお参りです。立派な伽藍です。ここは、加賀藩、前田利常公の正室「珠姫伝説」の残る寺院で人形劇等も上演してくれました。ゆっくり参拝できました。そして、兼六園近くで昼食を済ませ、最終の立寄り所、金沢の台所「近江町市場」で各々気ままなお買い物です。気の利いたお土産は見つかりましたでしょうか?さあー、これで明石へ帰ります。

 約五時間、車内は和気あいあいのまま、あっという間に明石到着です。名残惜しくも、皆様三三五五解散です。
さようなら、また来年!
 最後にこんな有意義な時間を与えて下さった月照寺関係の皆々様、本当にありがとうございました。

ビーエス観光元添乗員  細田英一

日本語の中の仏教 其の6
「瓦」かわら

  お寺の本堂を見上げながら、ある人がつぶやきました。
「瓦の屋根はいいもんだなぁ」
 このつぶやきの中に、仏教に関わりのあることばがかくれています。
「瓦」です。
「瓦」は、遠い昔のインドのことばであるサンスクリット語「カパーラ」がもとになっています。カパーラは皿や器、びんなどを意味することばで、土をこねて形にして焼いた、焼もの一般をいいました。このカパーラの語が中国に渡り、中国の人はまず音のままに「迦波羅」という漢字をあてました。やがて、焼きものの意味をもつ「瓦」に結びついたと考えられます。
 日本に伝わったのは、西暦588年、百済の国(当時の朝鮮半島にあった国の一つ)から仏舎利(御釈迦さまのご遺骨)と数人のお坊さんといっしょに、瓦博士がやってきたときだといわれています。
「瓦」の音読みは、「が」です。当時の日本の人たちは、この「瓦」という漢字に、おそらく別に伝わってきた「迦波羅」から「かわら」という音をあて、訓読みとしたのでしょう。
 瓦は、仏教といっしょにやってきたことばなのです。
 仏教は、およそ2500年前のインドで誕生し、一方は東南アジア方面に伝わり、一方は中国、朝鮮半島、日本へと伝わってきました。
「瓦」ということばには、2500年という長い時間と、インドから日本への遠い道のりが、かくされているのです。

「てらスクール 染谷典秀」より

月照寺の「八ッ房の梅」東京の泉岳寺に奉納される。

 前号でご紹介いたしました続報になります。三百有余年の時を超えて赤穂浪士の伝説が実現しました。浅野内匠頭が眠る泉岳寺(東京都港区)の墓前の両側に八ッ房の梅の苗木が無事植えられ、その側には、謂われが刻まれた碑が一緒に建てられました。泉岳寺にお参りに行く機会がありましたら、ご覧頂ければと思います。

植えられた八ッ房の梅

碑の内容は次の通りです
素願成就の梅「八ッ房の梅」謂われ
元禄十五年赤穂浪士頭領大石内蔵助良雄間瀬久大夫正明兵庫明石の人麿山月照寺に素願成就を念じ参拝
併せ持参の「八ッ房の梅」を祈念し月照寺に託すと伝承
爾来珍重して三百有余年時を得て
八房一門により大殿の墓前へ献じ奉る

<平成27年>

1月1~3日新年祈祷(修正会) 本堂/毎朝
元旦から三日までの毎朝、平穏無事な一年でありますようにと祈願いたします。
3月14日(土)春彼岸会法要 本堂/12時30分受付
◆13時30分~法話
◆14時30分~法要
この世を越えた彼岸に想いをめぐらし、亡き人を偲んでご供養いたします。
3月17日(火)永代供養塔合祀墓合同供養 永代供養塔前
◆15時~法要
永代供養塔に合祀されている仏様をご供養いたします。
3月31日(火)大般若祈祷法要  本堂/12時30分受付
◆13時30分~法話
◆14時30分~法要
大般若波羅密多経六百巻を転読し、檀信徒各家の諸願成就を祈願する法要です。
6月2日(火)湖南三山と近江八幡散策の旅(日帰り)
年に一度の参拝旅行です。
皆様お揃いでお参り致しましょう。
8月6日(木)初盆大施食会 本堂/8時開経
初盆を迎えられる新亡の仏様のご供養はもとより、
ご先祖、無縁の仏様にもご供養する法要です。
8月23日(日)
8月24日(月)
地蔵盆 千躰地蔵尊前
◆18時~
子ども達の純真な心を見守っていて下さるお地蔵様を子ども達でご供養する法要です。
9月12日(土)秋彼岸会法要 本堂/12時30分受付
◆13時30分~法話 
◆14時30分~法要
この世を越えた彼岸に想いをめぐらし、亡き人を偲んでご供養いたします。
10月26日(月)お十夜法要 本堂/12時30分受付
◆13時30分~法話
◆14時30分~法要
曹洞宗のお祖師さまである達麿大師のご遺徳を偲び、
ご先祖様に感謝の気持ちを込めてお念仏をお称えする法要です。
12月31日(水)
子午線燈花会・除夜の鐘 
 鐘楼/22時受付
◆23時~撞鐘開始(受付22時)
鐘つき志納 金1人500円以上 (全額社会福祉に寄付)
「行く年」を省み、「来る年」の決意を新たに。

― お知らせ ―

日帰りの旅 湖南三山と近江八幡散策

※檀家さん以外の方もご参加いただけます。
●日程  程 ● 平成27年6月2日(火)
●参加費 ● お1人様 15,000円(予定)
皆様と共に楽しい旅にしたいと計画しております。
ここで旅路の魅力をご紹介いたしますので
ぜひ、多くの皆様のご参加をお願い申し上げます。

-湖南三山のご利益-

常楽寺
本堂・三重塔の建造物が国宝。二十八部衆等は国の重要文化財に指定。
本尊は、千手観音菩薩(秘仏)
ご利益は、すべての願い。

長寿寺
本堂が国宝。(湖南市最古の名刹で鎌倉時代に再建された建造物です)
釈迦如来等は、国の重要文化財に指定。
本尊は、子安地蔵(秘仏)
ご利益は、子宝・安産・長寿。

善水寺
本堂が国宝。木造四天王立像等は、国の重要文化財に指定。
本尊は、薬師如来(秘仏)
ご利益は、病気の平癒・身体健全・厄除祈願。

お申し込みは、お寺までお願いいたします。締め切りは5月10日まで(電話078-911-4947)
※お申し込み人数が30名未満の場合は、やむを得ませんが中止と致します。ご了承願います。