寺報「月照」第16号

平成26年 元日

【釈迦涅槃図】
昨年、寺宝の大軸「釈迦涅槃図」を185万円をかけ補修を行いました。 この「釈迦涅槃図」は、お釈迦様が入滅される際の情景をきめ細やかに描かれた幅1.8メートル、丈2.5メートルほどの大軸で、江戸時代の作といわれています。補修によって当時の色鮮やかな大軸に蘇りました。

慕古心(もこしん)
道元禅師さまからのメッセージ

無常ならざるもの
生まれたものは死に
  会ったものは別れ
 持ったものは失い
  作ったものはこわれます
時は矢のように去っていきます
  すべてが「無常」です
 この世において
  無常ならざるものはあるのでしょうか

 新年を迎え、謹んで新春のお慶びを申し上げますとともに、檀信徒の皆様のご多幸とご繁栄をご祈念申し上げます。
 元旦と大晦日では、わずか一日の違いしかありませんが、新年を迎えると前日とは気持ちがすっかり変わってしまいます。今年も新しいカレンダーをめくり、「今年はこれと、あれに挑戦したい」といろいろな抱負がふつふつと心に浮かんできます。しかし昨年を振り返れば、年明け最初に挑戦したいことを一〇〇としてみると、自分がそのうち何割できた事かと思います。来た道を振り返れば、後悔することもあるでしょう。あれがうまくいっていれば、こんなふうじゃなかったかと思う事もあります。そんな時に、「一行三昧(いちぎょうざんまい)」という言葉を思い出します。何かをする時、ひとつのやり方を決め、迷うことなく、そのことになりきるという意味があります。
一つの事に対して、心を一つにして邁進する。仕事をする時には仕事三昧、遊ぶ時には遊び三昧、食事の時には食事三昧、勉強する時には勉強三昧、その間に一点の雑念妄想を挟むことなく、全身全霊をあげて打ち込み、自分を見失わないように持続させていくことが一行三昧です。もちろん、坐禅を組むことも一行三昧です。やりたいことが多かった学生時代、親に言われた一言をおぼえています。「一つのことができないで、他のことができるのですか」やりたいことはたくさんあるけれど、今年はひとつのことを大切に過ごしていきたいものです。きっと、新たな発見があると思います。
 最後になりますが、皆様にとって本年が良い一年でありますことを重ねて祈念申し上げ、新年の挨拶とさせて頂きます。       

合 唱
月照寺住職 間瀬和人

月照寺の八ッ房の梅」泉岳寺へ

-三百有余年の時を越えて 赤穂浪士の伝説が昨年実現されました-

 赤穂浪士が明石市人丸町の月照寺に残したとされる梅を、約三百年の時を経て主君、浅野内匠頭が眠る泉岳寺(東京都港区)に運ぼうとする計画が進められた。この梅とゆかりのある大道芸人が企画した。
 十一月に明石を出発し、約二百人の弟子が大道芸を披露しながら交代で約六二〇キロの道のりを運び浪士が討ち入りを果たした十二月に泉岳寺に到着する。
 日本南京玉すだれ協会(本部・神戸市中央区)理事長で八房流家元の八房梅香さん(62)。一緒に行くのは弟子たちでつくる「八房一門会」である。
 八房さんは一九九六年末、二十五年勤務した明石市役所を辞め、プロの大道芸人として自立した。「八房梅香」の芸名は、親交のあった当時の月照寺の住職碩襌老師がつけた。浪士の一人、間瀬久太夫正明らが境内に手植えしたという「八房の梅」にちなんだ。一つの花から七?八つの実をつけるとされることからそう呼ばれる。
 討ち入り前、江戸に向かう途中に持参したのを仇討ち成就を願って植えたとの伝説が残る。今回、東京へ運ぶのは「この梅」から株分けした四代目である。
 八房さんは大道芸人に転身した時から今回の計画を温めてきた。「弟子が二百人になったら芸名をとった”梅“を泉岳寺に届けたい」と考えていた。街角や施設などで南京玉すだれや皿回し、バナナのたたき売りなどの大道芸を披露し、弟子も徐々に増えた。現在は全国80カ所の教室で大道芸を教え、海外でも公演や普及に取り組んでいる。そして三月に念願の二百人を越えた。
 十一月十日に月照寺を出発し、十二月一日に泉岳寺に到着。帽子と着物たっつけ袴という姿で二、三人づつ交代で鉢植の梅を載せたリヤカーをひき旧東海道を中心にたどる。支援の車と共に一日約三十キロの行程で泉岳寺を目指す。途中の街角などで様々なパーフォーマンスを披露し、大道芸の楽しさを知っても
らう。八房さんは「大勢の人に見てもらって玉すだれなどの大道芸をもっと広め伝説文化として育てていきたい」と話している。 (朝日新聞より25・8・21)
 途中、熱田神宮、三保の松原、箱根神社、鶴岡八幡宮他で大道芸を披露した。十一月十日の出立式では月照寺住職が道中の安全祈願をし、檀信徒でお見送りしました。
 到着の十二月一日には泉岳寺の浅野内匠頭の墓前で読経をされました。

大本山永平寺参拝記

 平成25年6月11日(火)は朝から台風3号の北進に伴い、小雨がぱらついていましたが、榎本県議会議員、住職奥様の見送りを受け、和人住職を始め総勢30名を乗せた日本交通バスは、定刻7時30分に月照寺下を出発しました。
 阪神高速?名神高速?北陸道へと、目的地である福井県の「大本山永平寺」に向け走行しました。和人住職の挨拶、ビーエス観光の安部添乗員の挨拶・紹介、上谷ガイドの名案内を聞きながら、途中桂川P、賤ヶ岳SA、でトイレ休憩しながら(バスもトイレ付の豪華車両でした。)、11時40分頃永平寺門前に到着しました。車内では、お茶・つまみ等を頂き、旧交を温める人で賑やかな雰囲気でした。門前では、レストラン「井上」にて北陸の味を満喫できる昼食を頂きました。
 12時30分から永平寺入山前に記念撮影をして頂いた。間もなく入山して、大講堂で修行僧から先祖供養前の諸注意、説明を受け暫く待機した後、法堂(はっとう)にて厳かに先祖供養を修法して頂きました。大勢の僧侶の読経の中、全員が焼香をさせて頂き、ありし日の先祖を思い浮かべ、ご冥福をお祈りされたと思います。プライベートで恐

縮ですが、私は昨年7月に49年連れ添った妻に先立たれたこともあり、遺影を胸に納めて焼香させて頂きました。(後程、全員が先祖供養の回向證、御札を頂きました。) 先祖供養の後、修行僧により諸堂の拝観をさせて頂き、15時30分下山し、本日の宿泊場所である、庄川温泉郷にあるホテル「薬師温泉 庄永閣」に向かいました。途中徳光Pに立ち寄ったのち、17時30分頃ホテル到着しました。早めのホテル到着であり、ゆっくりと温泉に浸った後、18時45分から宴会場で夕食が始まりました。豪華な料理に舌鼓を打ち、談笑の後、カラオケが始まり、時を忘れるくらいにぎやかな時間を過ごしました。その後、有志で2次会(カラオケ)に行った人もあるようでした。
 翌12日(水)は、二か所の寺院の参拝が予定されており、朝食後8時30分出発迄の自由時間に付近を散策しました。庄川の間際にホテルがあり、川向こうは全面新緑の山で目を奪われました。川には、鯉などが放流されており、たまたま若い人が早朝の釣りを楽しんでおり、体長50センチの「紅ます」を釣り上げた瞬間に遭遇しました。ただちに写真を撮影させてもらいましたが、撮影後、若者はすぐにリリース(放流)されました。
 8時30分にホテルを出発し、彫刻の町、南砺市井波の「瑞泉寺」(真宗大谷派)を参拝し、伽藍等の見事な彫刻に見惚れた次第です。特に、「獅子の子落とし」は有名です。参拝後に八日町通りを歩き、彫刻工房、表札、看板、電話ボックス等いたるところにある彫刻を見学し、見事な文化に感銘を受けました。
 次は、高岡市の「高岡山 瑞龍寺」(曹洞宗)を参拝しました。伽藍の配置は、左右均等配置であり、宇治の平等院を模しているとも言われているそうです。山門の雄大さには驚愕した次第です。この寺院には、ご本尊に釈迦・文殊・普賢の三尊がまつられています。特に、仏殿の屋根が「鉛板」で葺かれていることは有名です。
 11時30分に寺院参拝を終え、「万葉の里」の「嘉桜」で本日最後の昼食を頂きました。昼食後、徳光SA(ハイウェイ・オアシス)で最終のお土産タイムを取り、賤ヶ岳SA、桂川Pを経由し、一路月照寺に向け走行しました。車内では、ビールを飲みながらの談笑、VTR放映など大変賑やかでした。この間、上谷ガイドの名案内に満足しながら、コックリ、コックリさんも居たような感じでした。鈴木ドライバーの安全運転により、18時40分頃無事に月照寺に帰着することができました。
 和人住職並びに檀家総代の役員の皆様には大変お世話になりました。厚くお礼申し上げます。次回の行事にもぜひ参加させて頂きます様宜しくお願い致します。

合 掌
細田英一

<平成25年>

1月1~3日新年祈祷(修正会) 本堂/毎朝
元旦から三日までの毎朝、平穏無事な一年でありますようにと祈願いたします。
3月15日(土)
春彼岸会法要 
本堂/12時30分受付
◆13時30分~法話
◆14時30分~法要
この世を越えた彼岸に想いをめぐらし、亡き人を偲んでご供養いたします。
3月17日(永代供養塔合祀墓合同供養 永代供養塔前
◆15時~法要
永代供養塔に合祀されている仏様をご供養いたします。
3月31日(大般若祈祷法要  本堂/12時30分受付
◆13時30分~法話
◆14時30分~法要
大般若波羅密多経六百巻を転読し、檀信徒各家の諸願成就を祈願する法要です。
6月12日(木)
6月13日(金)
皆様に好評の恒例、月照寺バスツアーですが、
本年度も新型コロナウイルスの影響で実施を見送ることとなりました。
また、来年開催できることを願っております。
8月6日(初盆大施食会 本堂/8時開経
初盆を迎えられる新亡の仏様のご供養はもとより、
ご先祖、無縁の仏様にもご供養する法要です。
8月23日(土)
8月24日(日)
地蔵盆 千躰地蔵尊前
◆18時~
子ども達の純真な心を見守っていて下さるお地蔵様を子ども達でご供養する法要です。
9月13日(土)秋彼岸会法要 本堂/12時30分受付
◆13時30分~法話 
◆14時30分~法要
この世を越えた彼岸に想いをめぐらし、亡き人を偲んでご供養いたします。
10月25日(金)お十夜法要 本堂/12時30分受付
◆13時30分~法話
◆14時30分~法要
曹洞宗のお祖師さまである達麿大師のご遺徳を偲び、
ご先祖様に感謝の気持ちを込めてお念仏をお称えする法要です。
12月31日(
子午線燈花会・除夜の鐘 
 鐘楼/22時受付
◆23時~撞鐘開始(受付22時)
鐘つき志納 金1人500円以上 (全額社会福祉に寄付)
「行く年」を省み、「来る年」の決意を新たに。

― お知らせ ―

大本山永平寺 参拝の旅

※檀家さん以外の方もご参加いただけます。
●日  程 ● 平成26年6月12日(木)~13日(金) 1泊2日
●参加費 ● お1人様 28,000円
皆様と共に楽しい旅にしたいと計画しております。
ぜひ、多くの皆様のご参加をお待ちしております。

旅のみどころ

天徳院
天徳院(てんとくいん)は石川県金沢市小立野にある曹洞宗の寺院。山号は金龍山(きんりゅうざん)。寺名は加賀藩主前田利常の正室珠姫の法号である天徳院殿乾運淳貞大禅定尼に因んでいる。

金沢湯涌江戸村
加賀百万石の名残りを今に伝える。江戸時代の金沢城下町や加賀藩地域の民家を公開しています。 湯涌温泉という自然の中で、国指定重要文化財の建造物2棟をはじめとする民家に触れ、木の美しさ、そしてそこで営まれたくらしを感じることができます。

※正座など困難な方には本山を含め各施設で小椅子の準備もありますのでご安心下さい。
お申し込みは、お寺までお願いいたします。締め切りは4月30日まで(電話078-911-4947)
※お申し込み人数が30名未満の場合は、やむを得ませんが中止と致します。ご了承願います。