寺報「月照」第9号

平成19年 元日

月照寺山門の由緒

この山門は、文禄3年(1595年)に豊臣秀吉が築いた桃山城の御殿の表門(薬医門)として建てられ、元和4年(1618年)に明石城の下屋敷の表門として移築され、本丸御殿焼失後、この屋敷が城主の御殿となったときには正門(切手門)として使われるなど、二役を果たしたのち、明治後6年(1873年)にここに移されたものです。
秀吉建立の歴史を刻む豪壮な風格の山門であり、昭和45年(1970年)に明石市指定文化財となっています。

慕古心
◆道元禅師さまからのメッセージ

「大自然の恵み」

米も野菜もいのちです
肉も魚もいのちです
これらのいのちのおかげで
私たちのいのちも生かされています
「いただきます」、「ごちそうさま」
尊いいのちに感謝して
食事をいただきましょう

慕古心(もこしん)について

時を超えて、人を超えて、語り、受け継がれ、伝えられる「真実(本当のこと)」は永遠に輝いて、いつも新しいのです。
道元禅師は、現代を生きる私たちに、「真実(本当のこと)」をたくさん教え示してくださっています。
そのひとつひとつを学び、実践することを「慕古心」というのです。
「慕古心」とは、「永遠の真実」を探し求めることであり、「道元禅師からのメッセージ」はそのための羅針盤に他なりません。

新年のご挨拶

新年を迎え、謹んでお慶び申し上げますとともに、檀信徒の皆様のご繁栄とご多幸を心よりお祈り申し上げます。
大本山永平寺をお開きになられた道元禅師様が書かれた「正法眼蔵」に『洗浄』という巻きがあります。
洗浄とは、”心身を洗い浄める“という意味です。
この『洗浄』の中で”両辺(便器の両側のこと)を汚すことなかれ“という言葉が出てきます。
この言葉は、要するに”トイレを汚すな“ということです。トイレは毎日お世話になるところで、その”トイレを汚すな“ということは、当たり前のことですね。このような当たり前のことを、自分の日常生活の中で具体的に行ってゆく。それが、道元禅師様の教えです。
トイレの中では誰にも見られません。自分一人です。誰にも見られないトイレの中で、この当たり前のことを、どう具体的に行ってゆくか?ということは、そう簡単なことではありません。
これは、誰にも見られない処で行う自分の行(ぎょう)ですから。トイレは大事な修行をする道場なのです。
皆様には、新年の初めにあたって、原点に戻って、合掌向仏して至心(ししん)に唱えましょう。
さて、当山では、副住職の 和人和尚(おしょう) が、曹洞宗管長より、月照寺の後継 二十七世住職として、任命を受けました。檀信徒の皆様には、二、三年の内に、正式に披露させていただきます。
また、かねてより計画を進めていました”永代供養墓“についてでありますが、次のページにも掲載していますように、本年の初夏ごろから工事にかかり、秋の彼岸には”開眼(かいげん)法要“を執り行う予定です。

合掌
平成十九年元旦              
月照寺住職 間瀬元道

永代供養墓建立に向けて

墓地整備の一環として、かねてより計画してまいりました”永代供養墓”の建立が、初夏より始まります。

建立する”永代供養墓“は、当寺にふさわしい容姿となるよう、歴史的造形物の多宝塔を模したものとしています。(下イメージ図)場所は庫裏の西側(下写真)で、完成は本年の秋の彼岸を目標にしています。

永代供養墓は、次のような方などに、ご安心いただけるお墓です。
◆ 先祖より代々受け継いでこられたお墓の後継者がおられない方
◆ 配偶者がおられない方、お子様がおられない方など
◆ 配偶者や遠縁の直系に跡継ぎがいないため、『いつかはお墓が無縁墓になってしまう』と心配されておられる方
◆ 親や配偶者のお墓を建てたいが、『先で無縁墓になってしまう』と心配されておられる方

お墓をお持ちの方や、これから建てられる方も安心して、永きにわたりお墓参りをしていただき、墓参りが難しくなられた時点で、当寺が”永代供養墓“に合祀して、お墓の無縁化を防ぐとともに、その時点から、当寺が永代にわたってお祀りしてまいります。

永代供養墓への合祀をご希望の方は、一定の手続きが必要となりますので、当寺にお気軽にご相談ください。

永代供養墓とは?

お墓参りのできない方、あるいはお墓参りをしてくれる人がいなくなった時でも、お寺が責任を持って永代に供養と管理をしていくお墓のことです。他の人と同じ納骨室に納骨されることから、合祀墓とも呼ばれています。近年の少子化や核家族化などにより、子孫による先祖供養の継承が難しくなってきているところから、多くの寺においても建立されてきています。

多宝塔とは

多宝如来を安置するための塔。多宝仏塔ともいう。塔の原語は梵語の「ストゥーパ」で、天と地を結ぶという意味です。ストゥーパは、お釈迦さまの遺骨を埋葬してその上に塔をつくったのが始まりと言われております。
中国では開元20年(732)、日本では、天治元年(1124)にはじめて多宝塔が建てられました。中でも、石山寺の多宝塔が日本最古として有名です。

<完成予想図>

お知らせ
ホームページの開設について

近年インターネットを活用される方が増えていることから、護持会活動の一環として、当寺を紹介するホームページを検討しています。
当寺の紹介や地図を始め、永代供養墓の案内のほか、梅、桜、ハスなどの花や、子午線燈花会と除夜の鐘の風景など、四季折々の写真も折り込みながら、当初は、基本的な内容を掲載することを考えています。
初めての試みでありますが、お盆などのお参りに遠方から来られる方のお役に立つものと期待しています。開設は、この夏頃を予定しています。

八房の梅(本堂正面)

赤穂四十七士の一人、間瀬久太夫正明が大石内蔵助良雄と共に当寺に参詣して、素願の成就を祈り、持参の鉢植の梅を手植したのがこの梅である。この梅は一つの花にハつの身がなるので「八房の梅」と名づけられた。

赤穂四十七士の一人、間瀬久太夫正明が大石内蔵助良雄と共に当寺に参詣して、素願の成就を祈り、持参の鉢植の梅を手植したのがこの梅である。この梅は一つの花にハつの身がなるので「八房の梅」と名づけられた。

JTB ”梅見どころ特集“での 掲載について

大手旅行代理店であるJTBよりインターネットサイト「JTB”梅見どころ特集“」に『八つ房の梅』が掲載されます。
全国の梅の見所を紹介する特集企画で、掲載される期間は、平成十八年十二月から平成十九年四月の予定です。
機会があれば、ご覧になってみてください。
http://www.jtb.co.jp/season/winter/ume

大本山永平寺 参拝記

(平成18年5月13日~14日)

島根県津和野町の興海寺さんより御紹介を頂き御先祖様御一同様の明石への移転に際しては月照寺様にされては?との返事を頂きました。連絡を取りましてお伺いし、御老師様の快いご返事を頂き満面の笑みを浮かべて御多忙中にも拘わらず色んなお話をして頂きました。法事の都度、御老師様のパワー溢れる声でお話の内容に私達や親類一同は感激しまして次の法事も楽しみに遠方より集まりました。
姪子達の出産に対しても男女の出生をきっちり言われ、二人の姪もその通りだったので喜んでいました。又、月照寺様には五十年振りに御嬢様がお生まれの事も言われました。
  いつも時間の経つのを忘れ楽しい法事でした。子ども達の就職の事や悩みを聞いて頂き親身になって相談にのって下さいました。その御老師様より永平寺参拝を誘って頂き参加しまして十八年になります。五月十三日と十四日に渡り参拝の旅に出ました。桂川で休憩をし、雨で新緑の美しい高速を走り一般道へ和やかにそれぞれ各人の会話が弾みます。最初に朽木の興聖寺に参りまして楽しいお話を聞かせて頂き、午後からは営業に出ますと笑わせられました。後程、小雨に濡れている庭内を拝見させて頂きました。敦賀で昼食を頂き、次に和紙の里で紙漉き体験をし、個々の作品をパピルス館で作らせてもらいました。次は大本山永平寺に参拝です。
夕食後映画鑑賞座禅指導を受けた後、法話で心身を真っ直ぐである様に並びに何事に置いても真っ直ぐであれと、本山布教部の遠藤長悦部長様の法話を拝聴しました。翌朝課参列に参加先祖回向をして頂きました。後程門前の井の上さんで休憩をして、置物をすませ、敦賀へ海産物の買物をしまして渡岸寺参拝し、次に長浜街並みを自由散策しました。後は名神高速を通り明石へと皆様元気で参拝の旅を終えました。又次回参拝でお会いいたしましょう。有難うございました。

井上尚子

月照寺 平成18年の記録

大般若祈祷法要前の講話

明石・佐久川医院の曽谷先生  平成十八年三月三十一日

大般若法要の前に「目」の病気についてのお話をしていただきました。「緑内障・白内障」のお話でした。目の健康、心の健康につながる大切なお話でした。

檀信徒研修会

平成十八年六月二十三・二十四日

今年は四国の「香園寺」→「石手寺」で法要をつとめ法話を聞いて道後温泉泊。翌日は”しまなみ海道“を経て「大三島神社」→「耕三寺」と見聞を広めました。二日間快晴に恵まれいい旅でした。この研修会は曹洞宗・兵庫県第一宗務所の行事です。
月照寺大鐘楼と名月 平成十八年九月八日 撮影
情報誌「元気UP関西」が”関西で愛でる名月“のテーマで月照寺の大鐘楼と中秋の名月を撮影し、情報誌「元気UP KANSAI」NO39に掲載されました。この情報誌は関西(大阪・神戸・姫路)関東(東京)で五万部発行されたと聞いております。

月照寺大鐘楼と名月

平成十八年九月八日 撮影

情報誌「元気UP関西」が”関西で愛でる名月“のテーマで月照寺の大鐘楼と中秋の名月を撮影し、情報誌「元気UP KANSAI」NO39に掲載されました。この情報誌は関西(大阪・神戸・姫路)関東(東京)で五万部発行されたと聞いております。

坐禅会(ACC朝食会の折に)

平成十八年九月十日

明石ACCのメンバー約四十名が月照寺の本堂で坐禅会を行いました。副住職の和人さんに「結跏趺坐」(けっかふざ)「法界定印」(ほっかいじょういん)などの難しい説明を受け「止靜鐘」(しじょうしょう)(鐘三回)で始まり「放禅鐘」(ほうぜんしょう)(鐘一回)で終わります。その間「警策」(きょうさく)も副住職に勤めてもらいました。ピンーと張り詰めた空気はなかなかでした。

優雅幽玄の世界にひたる

平成十八年十月七日

秋の午後のひととき、尺八、琵琶、琴、三味線など伝統の和楽器の奏でる雅びの世界にひたりました。
演奏は「明石和楽器を伝承する会」(代表吉川晴美様)の皆様でした。昨年に引き続いて二度めです。

お十夜法要前の講話

姫路・八家医院の八家伸方先生  平成十八年十月二十五日

「チャングムと現代の医療」八家先生には何度も講演頂いています。この度は、テレビで人気の「チャングム」より現代の医療について楽しくためになるお話をいただきました。いつもの事ですが大好評でした。

日本語の中の仏教 新シリーズ
あいさつ

「おはようございます!」「はじめまして。よろしくお願いします」
あいさつは、毎日会っている友だちでも、はじめて会う人でも、気持ちを通じあわせる上で、とても大切ですね。
この「あいさつ」は、もともとは禅のことばです。
「あいさつ」の漢字は「挨拶」です。「挨」は「おす」、「拶」は「せまる」という意味をもっています。
禅の先生が、いろいろな質問をしながら、教え子の力を知ろうとしたのが、「あいさつ」です。その質問は、ふつうの力で「おし」て、ちょっと相手のようすを見るものだったり、一気に相手の心に「せまる」はげしいものであったでしょう。
教え子の答えをきいて、禅の先生は、いま彼がどんな境地でいるのかを理解したのです。
やがて禅の先生と教え子とのやりとりを意味した「あいさつ」が、だんだんと今、私たちがする「あいさつ」へと変わっていきました。
ただ、禅のあいさつと、今のあいさつには、変わらないところがあります。それは、心と心をつなぐものだというところです。
禅の先生は、教え子の心を知ろうとあいさつし、教え子はしんけんに答えました。そのとき、心と心がつながりました。
「こんにちは!」「ありがとう。すごくうれしかったよ」
わたしたちも、たくさんの気持ちをこめて、あいさつしましょう。
心と心がつながるように。

玄関

みなさんの家にある玄関は、禅のことばからきています。
「玄」は「おくふかい、しずか」、「関」は「大事な場所・出入り口」という意味をもっています。
字のとおり「玄関」とは、「おくふかい仏の道への入り口・さとりにおける大事な場所」のことです。
昔、中国の禅宗のお寺の入り口に「玄関」の字を額に入れて、かけておいたそうです。「玄関」はとても大切なことばですから、お坊さんたちが、それを見るたびに、がんばろうという気持ちになってもらうためでした。
そのうち、禅宗のお寺の入り口のことを、「玄関」というようになりました。
日本には、鎌倉時代に伝わったようです。中国の禅宗のお寺にならい、日本でも、禅宗のお寺の入り口を「玄関」といいました。
やがて、禅宗以外のお寺の入り口の名前も同じになりました。
室町時代になると、貴族や武士が、禅宗のお寺のつくりを参考にして、家をつくるようになりました。入り口の名前も、そのまま「玄関」としました。 江戸時代になり、庶民も、家に大きな入り口をつくるようになり、「玄関」の名前が定着しました。
このようにして、はじめは禅のことばだった「玄関」が、建物の入り口の名前になり、おおぜいの人たちにひろがっていったのです。
みなさんの家の玄関も、もとをたどれば、遠い昔の中国のお寺にいきつくのです。

<平成19年>

1月1~3日新年祈祷(修正会) 本堂/毎朝
元旦から三日までの毎朝、平穏無事な一年でありますようにと祈願いたします。
3月17日(土)春彼岸会法要 本堂/12時受付
◆13時~法話
◆14時~法要
この世を越えた彼岸に想いをめぐらし、亡き人を偲んでご供養いたします。
3月31日(木)大般若祈祷法要  本堂/12時30分受付
◆13時30分~法話
◆14時30分~法要
大般若波羅密多経六百巻を転読し、檀信徒各家の諸願成就を祈願する法要です。
5月26日(土)
  27日(日)
大本山永平寺参拝
年に一度の本山へ皆様お揃いでお参り致しましょう。
8月6日(月)初盆大施食会 本堂/8時開経
初盆を迎えられる新亡の仏様のご供養はもとより、
ご先祖、無縁の仏様にもご供養する法要です。
8月23日(木)
8月24日(金)
地蔵盆 千躰地蔵尊前
◆18時~
子ども達の純真な心を見守っていて下さるお地蔵様を
子ども達でご供養する法要です。
9月15日(土)秋彼岸会法要 本堂/12時受付
◆13時~法話 
◆14時~法要
この世を越えた彼岸に想いをめぐらし、亡き人を偲んでご供養いたします。
10月25日(木)お十夜法要 本堂/12時30分受付
◆13時30分~法話
◆14時30分~法要
曹洞宗のお祖師さまである達麿大師のご遺徳を偲び、
ご先祖様に感謝の気持ちを込めてお念仏をお称えする法要です。
12月31日(月)子午線燈花会・除夜の鐘  鐘楼/22時受付
◆23時~撞鐘開始(受付22時)
鐘つき志納 金1人500円以上 (全額社会福祉に寄付)
「行く年」を省み、「来る年」の決意を新たに。
その他>
文化事業
開催日時は未定です。決定次第、皆様にお知らせさせて頂きます。

当寺は子午線上の人丸観音堂に高さ三メートル。廻り二・六メートル。区切られた升目が九八〇個。升目毎に観音様を収め、豆球が全部点燈される華麗な光明燈を安置しております。この一区画を皆さまのお申し込みにより提供し、区画毎にそれぞれご氏名を掲げ先祖供養。水子供養。家内安全。学業祈願等、あらゆる願い事を祈願します。ご祈願の主旨に沿って一年間を通じ毎朝のおつとめのおりにお回向させて頂きます。
尚、供養料は一ヶ年五千円です。ご希望の方は同封の払込通知票でお申し込み下さい。

お願い

市町村合併にともない住所に変更がございましたらお知らせ下さい。