平成23年 元旦


柿本人麿像:南北朝時代の歌人頓阿法師の作 明和7年(1770)冷泉家15代為村が寄進した像


慕古心(もこしん)
道元禅師さまからのメッセージ
「どう生きるか」
生まれて死ぬ一度の人生を
どう生きるか
それが仏法の根本問題です
長生きをすることが幸せでしょうか
そうでもありません
短命で死ぬのが不幸でしょうか
そうでもありません
問題はどう生きるかなのです
「慕古心」について
時を超えて、人を超えて、語り、受け継がれ、伝えられる「真実(本当のこと)」は永遠に輝いて、いつも新しいのです。道元禅師は、現代を生きる私たちに、「真実(本当のこと)」をたくさん教え示してくださっています。そのひとつひとつを学び、実践することを「慕古心」というのです。「慕古心」とは、「永遠の真実」を探し求めることであり、「道元禅師からのメッセージ」はそのための羅針盤に他なりません。

新年のご挨拶
新たな年を迎えて
 謹んで新春のお慶びを申し上げますとともに、皆様のご繁栄とご多幸を心より祈念申し上げます。
 お正月の三が日には多くの曹洞宗寺院で「修正会」新年祈祷が行われ、新年を祝い、世界の平和と仏法の興隆、檀信徒各家の平安を願い、風雨順調、五穀豊穣の祈りを捧げます。
 ところで、毎年新年にこのようなご祈祷を行い、平和や安全を祈っても、次々と様々な天災がおこります。それらによって多くの人が被災し、多くの命が失われ、種々の災難に遭遇します。大自然の営みでは、時として日照りが続き、また長降りがあり、暴風もあれば、大雪もあります。いつ、どこで、どのような災害がおこるかわかりません。私たちは決してそれらを避けることはできないように思われます。いくら願っても、種々の災害から逃れることはできないでしょう。それでも、私たちが願うということには、大きな意義があるはずです。
 大本山総持寺を開かれた瑩山禅師さまは、大慈大悲の誓願をおこされ、その願いを実践されて、多くの迷える人々を救われました。願うということは、実践することです。本当に何かを願う人は、その願いを行動におこすものです。
 曹洞宗では、「人権の尊重、平和の確立、環境の保全」を三つの願いとして取り組んでいます。とても大きな願いであり、簡単には実現できそうもない難しい願いです。しかし、皆さん一人ひとりが、それらを強く願うことによって、社会は少しずつ好転するはずです。
 新しい年を迎え、皆さんもそれぞれ心新たに、何か目標や希望をもっておられることでしょう。それらが是非実現しますように願うものです。そして、できれば曹洞宗の三つの願いのような大きな願いを持って、実践して頂きたいのです。分け隔てなく慈しみの心をもって他に接し、お互いに相手を尊重して、対立して争うことを止め、環境を大切にしようと心掛けて生活をする。難しいことですが、日常生活の中で、これらが少しでも実践できれば、今年は必ずよい年になるはずです。 
 年頭にあたり、私たち一人ひとりが瑩山禅師さまのみ教えに学び、そのお心を慕い、ともに仏道を精進いたしたいものです。
月照寺住職 間瀬和人


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