寺報「月照」第8号

平成18年 元日

慕古心
◆道元禅師さまからのメッセージ

「はきものをそろえる」

はきものをそろえると心もそろう
心がそろうと、はきものもそろう
ぬぐときにそろえておくと
はくときに心がみだれない
だれかがみだしておいたら
だまってそろえておいてあげよう
そうすればきっと、
世界中の人のこころもそろうでしょう

慕古心(もこしん)について

時を超えて、人を超えて、語り、受け継がれ、伝えられる「真実(本当のこと)」は永遠に輝いて、いつも新しいのです。
道元禅師は、現代を生きる私たちに、「真実(本当のこと)」をたくさん教え示してくださっています。
そのひとつひとつを学び、実践することを「慕古心」というのです。
「慕古心」とは、「永遠の真実」を探し求めることであり、「道元禅師からのメッセージ」はそのための羅針盤に他なりません。

新年のご挨拶

 檀信徒の皆様には、明るい平成十八年の初春を迎えられたことと拝察いたします。
 当山におきましても、檀信徒各位の家内安全、身上安全、招福、除災の祈願を元朝に修めました。
 この修正会(しゅうしょうえ)に先立って執り行う当山の除夜の鐘は、燈花会(とうかえ)で浮かび上がる本堂や鐘楼の醸しだす幽玄世界が年々人気を呼び、開始の時刻ともなる午後十一時頃には、本堂に正座をし、法話を聞きながら順番を待つ老若男女の姿がありました。
 百八つの煩悩は、なかなか打ち尽くせるものではありませんが、鐘を撞(つ)くと、胸のわだかまりが消え、仏様の心に接するようなありがたい気持ちになります。
 この時、大事なことは、今までを振り返り、
”自分として精一杯に生きてきたのであろうか“
”これでいいのだろうか“と思いを巡らすことで、新しい年の初めにあたって、自分の軌道を修正する良い機会ではないでしょうか。
 昨年は当山にとって大きな出来事がありました。
 一つは、ご存じの方も多くおられると思いますが、当山の筆頭総代を永年務めていただきました山森 豊様が亡くなられたことです。
 山森様は、庫院の再建を始め、阪神淡路大震災で全壊した本堂、客殿、位牌堂などの復興に、先頭に立って尽力をつくしてくださるなど、当山に大きな功績を残された方です。
 後任には、総代諸氏から、中村 元様にお引き受け願いました。
 もう一つは、暮れに、東京在住の檀家、浪花久元様より、山岡鐵舟居士(維新の傑物。剣・禅・書の達人)の「五言律詩・六折屏風壱双」を寄進して頂いたことです。寺宝として、大事にいたします。 

合掌
平成十八年元旦              
月照寺住職 間瀬元道

墓地調査八年目を迎えて・・・

皆様のご協力を頂きながら墓地調査も今年で八年を迎えますが、まだまだ確認の取れないお墓(白いプレートを貼っているお墓)も多数有り、墓地整備も難航しております。
昨年度は、二カ所の工事が完了し、今後は、中参道の拡張工事・中腹の擁壁工事を予定しています。皆様のご協力の程よろしくお願い致します。
また永代供養墓も計画中です。

水汲み場・線香の火付所を新設
破損の激しい北参道のスロープを改修。手摺りも新設
上段に眺めの良い墓所が誕生。
墓所の申込み受付中です。
倒壊の恐れがあった万霊塔横の擁壁を改修
住職・副住職・総代の面々20数名で、永代供養墓のある8カ寺を視察

今後、整備予定の区域

▲ 中参道(主参道)拡張工事予定区域
▲ 中腹1区擁壁延長工事予定地
▲ 中腹5区擁壁工事予定地

工事予定地には確認の取れないお墓が3割程あり、墓地整備が遅れています。白いプレートのお墓に心あたりのある方は寺務所(又は富永石材 078-911-6233)にご連絡下さい。

今後も墓地整備を進めていくためにも皆様のご協力をお願い申し上げます。

山岡鐵舟御真筆「六折屏風一双」浪花久元氏御寄進

本紙、住職年頭御挨拶の中にも述べられていますように、当寺檀家浪花久元氏より、平成十七年十一月吉日に、山岡鐵舟居士「五言律詩・六折屏風一双」御寄進がありました。
月照寺寺宝の一つとして大事に守ってまいります。

山岡鐵舟

維新の傑物。江戸城無血開城の立役者で、西郷隆盛と勝海舟の会談を実現させ、江戸城を戦火から救った幕臣。西郷をして『金もいらぬ、名誉もいらぬ、命もいらぬ人は始末に困るが、そのような人でなければ天下の偉業は成し遂げられない』と賞賛させた人物。(大森曹玄著「山岡鐵舟」春秋社)剣・禅・書の達人として明治維新後の多くの人材に影響を与え、中でも明治天皇の教育係として十年間仕え、日本の近代化に多大な影響を与える。墨痕の解釈は、後の賢人をお待ちします。

月照寺 平成十六年の記録

旅をするのに最適な季節五月二十一日に月照寺主催「大本山永平寺参拝の旅」に参加いたしました。
今回の参加で四年続けての参拝となりました。それまでにも慰安旅行などで永平寺には数回訪れましたが、観光が目的で、檀家としてお世話になっている月照寺の本山なんだとの軽い思いでしか有りませんでした。
ご住職に勧められて平成十四年五月「高祖道元禅師七五〇回大遠忌法要」に始めて檀信徒の皆様と参加させていただき、和気あいあいとした楽しい雰囲気と大勢の僧侶、雲水による本山での厳かな法要に大感激をいたしました。
そして平成十五年九月元道住職焼香師拝命の栄誉を眼前にて拝見し、また新たな感銘を受けました。でも二回の本山参拝は豪華なホテルでの宿泊でしたので、先輩の皆さんより聞いておりました坐禅修行や早朝よりの朝課参列、質素な食事など雲水の方の厳しい修行を少しでも経験をされてはとのことで、昨年今年と参加させて頂きました。さて今年も元道住職、奥様、和人副住職そしていつもお世話いただきます役員の方、檀信徒の皆さまお友達、バスの中笑いのうちに最初の訪問地岩船寺に到着。寺院内の参拝、見学、修復された朱色も鮮やかな三重の塔が印象にのこりました。次に浄瑠璃寺を訪問、国宝「九体阿弥陀如来像」をまつられた薄暗いお堂の中で般若心経を唱えユーモアたっぷりな法話に耳を傾けました。

美味しい昼食を済ませて一路永平寺へ。
入浴、夕食後檀信徒の研修道場「吉祥閣」で法話、雲水の皆様の厳しい修行姿を映した映画鑑賞(雲水の細い指や体、青白い顔色を見るにつけ修行のほどがうかがえます)、坐禅修行を終えて九時就寝。三時半起床、早朝よりの法話。私は父と母のおかげでこうして生を受け生活しております。父、母にもそれぞれ両親が、ご先祖に感謝する気持ちが大切であることを改めて悟り、次の世代にどうつなげてゆくか考えさせられました。そして法堂での朝の読経。いつもながら多くの僧侶、雲水の皆様の見事なまでのお姿、その中に同席できた満足感、ご先祖への感謝が出来ましたことが一番感じられる時でした。
永平寺門前での土産選び、敦賀での海産物選びを終えて二日目の訪問地勝林院、大原三千院の参拝と見学。毎回幾つかの寺院にお参りできることもこの旅の楽しみです。
今年も全員元気に帰明できましたこと、お世話頂きました皆様にお礼申し上げます。そして次回の永平寺参拝を楽しみにしております。

本年の大本山永平寺参拝は五月二十一、二十二日に施行されました。青葉の薫り立つ様な新緑の中午前七時三十分天文科学館前出発名神高速道を経、第二阪名道を過ぎ十時過ぎ当尾の里へ、岩船寺に到着、現ご住職の尽力で再建されたと云う新らしい伽藍を拝観、あじさいに囲まれて暫し夢心地でした。色鮮やかな三重塔は緑に包まれて何とも云えぬ美しさでした。
次に浄瑠璃寺まず東の薬師仏に苦悩の救済を願い、目標の西方浄土に居られる阿弥陀佛に向かって池越しに振り返って礼拝するそうで、池を挟んで伽藍が向き合って配置されている珍しい型だと思いましたが、平等院もその典型とお聞きして納得致しました。
午後四時過ぎ無事に大本山永平寺着、何時もの様に記念写真撮影後、宿坊に案内して頂き御棚の宮崎貫首様のお写真と立派な「雪嶺白銀翔染藍」との額を拝見して、御本山へ到着した事を身体に刻みました。夜のお食事は(勿論夜に限りません)先ず五観の偈を称え黙して頂きます。何時もこれは大切な事だと思いつつ普段は忘れ勝ちの生活を振り返りました。
夜のお勤め(法話、坐禅指導、映画鑑賞)を終え、九時消灯、明朝に備えました。第二日早朝三時半起床。朝課参列、先祖回向毎回の事ながら雲水様方の立派な立居振舞には祈りの場であることも忘れる程惚れ惚れと見とれハッと我に返る様な事でございました。 朝食を頂き御本山を後にまた俗世間に帰りました。帰路は敦賀へ寄り湖西を通過大原の里へ昼過ぎ着、”芹生“で名物三千草弁当を賞味。一寸雨がパラつきましたが、勝林院、三千院参拝午後六時頃、無事明石へ帰着致しました。 お陰様で有意義な二日間を有難く存じました。今現在生かされて居る事への感謝を忘れず参りたいと感じました。

山森 美根子

月照寺 平成十七年の記録

”寺宝“を宗因展に出品

平成十七年十月二十二日~十二月四日

(財)柿衛文庫に於て、西山宗因の生誕四百年を記念しての特別展に”寺宝“宗因筆・明石浦人麿社法楽「賦御何連歌百韻」(初公開)を出品しました。

琵琶・謡曲・琴・尺八に酔う(和文化の輪)

平成十七年十月三十日

「明石和楽器を伝承する会」(吉川晴美代表)の皆様が”月照寺“の名に因「月」をテーマにして様々な和楽器を奏で約百人がその音色に酔いしれました。

「新・兵庫史を歩く」で月照寺紹介

平成十七年十一月十二日

NHKで「新・兵庫史を歩く」は県内の隠れた名所・旧跡を歴史家と歩く、視聴者参加の紀行番組です。今回は「明石市」で月照寺も紹介されました。参加者約百五十名、放送は十二月四日にありました。

お釈迦さまの亡くなられた日(涅槃会)

二月十五日は、仏教をひらかれたお釈迦さまの亡くなられた日(涅槃会)です。
四月八日の花まつり(お生まれになった日)十二月八日の成道会(お悟りをひらかれた日)と共に、お釈迦さまの三大聖日になります。これを「三仏忌(さんぶっき)」と称し、曹洞宗では、その日に報恩の法要を営みます。
お釈迦さまは、二十九歳で出家され、三十五歳でお悟りをひらかれ、それから四十五年の間多くの人々に教えを説かれてまいりましたが、そんなお釈迦さまも、ご自身が老齢に達したことを自覚し、最後の教化の旅に出られることを決意され、生まれ故郷に向かって旅立たれました。
そんな旅のある日、お釈迦さまはひとりの鍛冶屋からの供養をお受けになられ、それが原因で激しい腹痛をおこされました。自らの死期が近いことを予知されたお釈迦さまは、クシナガラの沙羅双樹(さらそうじゅ)の下で、頭を北に、顔を西に、右脇を下にして両足を重ねて横になられました。
そして、集まってきた多くの弟子たちに「私が死んでも、嘆き悲しむな。いずれにせよ、誰もが至る道だから。死んだ後は、私が説いた教えを頼りに、自分自身を信じて、道を学ぶように。」と最後の説法をされました。これを自燈明・法燈明といいます。「自分を灯りとし、私の説いた教え(法)を灯りとしていきなさい。」と言われ、八十年のご生涯をとじられました。
この最後の説法を内容とするお経を「遺教経(ゆいきょうぎょう)」といいます。曹洞宗では古来より大変重んじられてきました。正式には「仏垂般涅槃略説教誡経(ぶつしはつねはんりゃくせつきょうかいきょう)」といい「釈尊(仏)が入滅(般涅槃)に臨んで(垂)、その教誡を略説された経」という意味です。
二月十五日には、お釈迦さまのご臨終を多くの弟子や諸菩薩、諸天、信者たちや、たくさんの動物や鳥類、虫類にいたるまでが嘆き悲しんでいる様子を描いた「涅槃図」という大きな掛軸を掲げ、「遺教経」を読誦し、お釈迦さまの遺徳に永遠の感謝をささげることを自らに誓うため、報恩の法要(涅槃会)を営みます。

<平成18年>

1月1~3日新年祈祷(修正会) 本堂/毎朝
元旦から三日までの毎朝、平穏無事な一年でありますようにと祈願いたします。
3月18日(土)春彼岸会法要 本堂/12時受付
◆13時~法話
◆14時~法要
この世を越えた彼岸に想いをめぐらし、亡き人を偲んでご供養いたします。
3月31日(金)大般若祈祷法要  本堂/12時30分受付
◆13時30分~法話
◆14時30分~法要
大般若波羅密多経六百巻を転読し、檀信徒各家の諸願成就を祈願する法要です。
5月13日(土)
5月22日(日)
大本山永平寺参拝
年に一度の本山へ皆様お揃いでお参り致しましょう。
8月6日(日)初盆大施食会 本堂/8時開経
初盆を迎えられる新亡の仏様のご供養はもとより、
ご先祖、無縁の仏様にもご供養する法要です。
8月23日(水)
8月24日(木)
地蔵盆 千躰地蔵尊前
◆18時~
子ども達の純真な心を見守っていて下さるお地蔵様を
子ども達でご供養する法要です。
9月16日(土)秋彼岸会法要 本堂/12時受付
◆13時~法話 
◆14時~法要
この世を越えた彼岸に想いをめぐらし、亡き人を偲んでご供養いたします。
10月25日(水)お十夜法要 本堂/12時30分受付
◆13時30分~法話
◆14時30分~法要
曹洞宗のお祖師さまである達麿大師のご遺徳を偲び、
ご先祖様に感謝の気持ちを込めてお念仏をお称えする法要です。
12月31日(日)
子午線燈花会・除夜の鐘 
 鐘楼/22時受付
◆23時~撞鐘開始(受付22時)
鐘つき志納 金1人500円以上 (全額社会福祉に寄付)
「行く年」を省み、「来る年」の決意を新たに。
<その他>
寺宝展
文化講演会
楽市楽座
開催日時は未定です。決定次第、皆様にお知らせさせて頂きます。

当寺は子午線上の人丸観音堂に高さ三メートル。廻り二・六メートル。区切られた升目が九八〇個。升目毎に観音様を収め、豆球が全部点燈される華麗な光明燈を安置しております。この一区画を皆さまのお申し込みにより提供し、区画毎にそれぞれご氏名を掲げ先祖供養。水子供養。家内安全。学業祈願等、あらゆる願い事を祈願します。ご祈願の主旨に沿って一年間を通じ毎朝のおつとめのおりにお回向させて頂きます。
尚、供養料は一ヶ年五千円です。ご希望の方は同封の払込通知票でお申し込み下さい。

お願い

市町村合併にともない住所に変更がございましたらお知らせ下さい。